開館から40年を迎える岡山県の倉敷市立自然史博物館で、特に希少価値の高いものを集めた特別展が始まりました。100万点を超える資料から、秘蔵のお宝が公開されています。

(倉敷市立自然史博物館 学芸員 奥島雄一さん)「こちらです。種名は『テツホシダ』。採集年は1878年」

145年前にアメリカで採集された植物標本です。倉敷市立自然史博物館の収蔵品約100万点の中で、最も古いものだといいます。

今月始まった「秘蔵お宝展」には選りすぐりの標本や資料など約600点が並んでいます。

そのうち大部分を占めるのが昆虫の標本です。

(倉敷市立自然史博物館 学芸員 奥島雄一さん)「当館が所蔵している色彩変異の突然変異の昆虫としましては、こちらの『黒いモンシロチョウ』。

(倉敷市立自然史博物館 学芸員 奥島雄一さん)「学術雑誌等で他に記録がまったく見当たらないもので、おそらく世界で唯一、こちらの博物館に収蔵されているものと思います」

モンシロチョウの黒い斑点をつかさどる遺伝子が壊れ、全体にその黒色が広がったのではないかと考えられているということです。

左右で羽の色が違うこちらの標本も、突然変異の1つです。

通常の個体は性別で色が異なるということで、染色体に何らかの変異が起き、右半分がオス、左半分がメスの個体が生まれたのではないかといわれています。

(訪れた人)「自然の力は偉大だと思いました。まだ見つかっていない種があと1万はいそうだなと思います」

よりよい保存状態をキープするため、これまでほとんど展示してこなかったものも多く公開されている特別展です。

(倉敷市立自然史博物館 学芸員 奥島雄一さん)「ふだんの常設展示では持っているお宝の1%くらいしか展示できていないので、この機会に選りすぐりのお宝をご覧いただければと思っております」

「秘蔵お宝展」は倉敷市立自然史博物館で10月9日まで開かれています。