岸田総理は、就任後、初めての中東歴訪を終えました。訪問の成果について宮本記者の報告です。

産油国であるサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールをめぐった岸田総理。“エネルギー外交”の手ごたえを語りました。

岸田総理
「エネルギー、多角的な経済関係、幅広い分野で重層的な協力を進める」

ウクライナ情勢でエネルギー市場が不安定化し、中東からの安定的な資源の確保は“急務”でした。

対する中東各国は「脱炭素化」を模索しているため、クリーンエネルギー分野などの日本企業数十社を引き連れた総理の“トップセールス”には効果があったといえそうです。

外交・安全保障分野では、“対中国”を念頭に「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」を訴えましたが、どこまで響いたかは不透明です。

いま中東全域では「アメリカが引き始めている」という認識が広がり、中国が存在感を増しています。中東各国は中国を“脅威”とは捉えておらず、「法の支配」や「自由」といった価値観も日本や欧米とは違います。

今回の訪問国とは、外相レベルで対話を定期的に行う合意は取り付けました。

日本としては「中国側か、こちら側か」と“踏み絵”を迫らない形で信頼関係を築けるかが問われます。