子どもの夏風邪のひとつ、ヘルパンギーナが流行していて、今月9日までの1週間の1医療機関あたりの患者数は7.32人となりました。都内の小児病院は軒並み満床に近い状態だといいます。

「予約埋まっている」3歳息子が発熱も…

阿部友哉くん3歳。7月、鼻水とせきの症状があり、母親の香織さんが体温を測ると38.5℃まで上がっていました。

しかし、医師の診察を受けることはできなかったといいます。

友哉くんの母親 阿部香織さん
「ウェブ予約を(受付開始の)9時ちょうどに取ろうとしたんですけど、9時1分につながった頃には、もう予約がいっぱいってなってしまった。2か所目はそのあと電話をかけたんですけど、今日の診察はいっぱいですと、次の日もいっぱいですと」

すぐに3軒目のクリニックで予約を取ろうとしましたが、こちらも当日分の予約はすべて埋まっていたといいます。

家で看病した結果、友哉くんの体調は回復しましたが、小児科の予約が取りづらい状況は続いています。

友哉くんの母親 阿部香織さん
「39℃とか40℃近くなったらどうしようって心配にはなりました。病院増やして欲しいですけど、そんな簡単に増えないと思うので…」

「小児医療が崩壊するかもしれない」

今、小児医療の現場は危機的状況に陥っています。

都内にある板橋中央総合病院の小児病棟。この日運ばれてきたのは発熱などの症状がある1歳の女の子。体調が悪いせいか、激しく泣いています。

女の子を連れてきた消防隊の背中には戸田消防の文字。病院がある都内ではなく、埼玉県から運ばれて来たのです。

医師「埼玉なんですね。あの辺はもう全然受けられない?」
消防隊員「戸田中央病院も今、入院患者さんがいるということで…」

受け入れ先がなかなか見つからず、県をまたいで運ばれてくるのは珍しくないといいます。

板橋中央総合病院 小児科 齋藤宏 主任部長
「よくありますね、多いです。もうずっとですね、この2、3か月以上」