台湾総統府は来月15日、南米パラグアイの大統領就任式に頼清徳副総統を派遣すると発表しました。パラグアイに向かう際はアメリカを経由するとみられ、中国が反発しています。

台湾総統府によりますと、台湾と外交関係がある南米・パラグアイのペニャ新大統領の就任式について、蔡英文総統は頼清徳副総統を特使として派遣することを決めたということです。

ペニャ氏は8月15日に就任する予定で、台湾との外交関係の維持を掲げています。頼副総統は慣例に従い、アメリカを経由してパラグアイ入りするということです。

これに対し、中国側は反発しています。

中国外務省毛寧報道官
「中国は米台間のいかなる形の公式交流にも断固として反対する」

中国外務省の毛寧報道官は「台湾問題は中米関係におけるレッドラインである」とアメリカをけん制、アメリカに申し入れを行ったことを明らかにしました。

今年4月、蔡英文総統がアメリカを訪問しマッカーシー下院議長と会談した際、中国軍は台湾周辺で軍事演習を行うなど軍事的圧力を強化したことから、今回も中国側が何らかの対抗措置に踏み切る可能性があります。

また、頼氏は来年1月に行われる台湾総統選に立候補を表明しており、今回の訪米をめぐる中国との対立が総統選に影響を与える可能性もあります。