タイ・バンコクで行われている陸上・アジア選手権に出場した日本選手団が16日に帰国し、羽田空港で取材に応じた。

男子400m・佐藤拳太郎(28、富士通)は、決勝で45秒00の日本歴代2位のタイムをマークし優勝。8月に行われる世界陸上ブダペストの参加標準記録を突破し、代表入りに大きく前進した。レースを振り返り「自己ベストが出せたのは世界陸上に向けて収穫となったと思う。タイムを見た時に思ったのは、そこで44秒台を出せないところがまだまだ弱いなと。嬉しかった部分もあるが、悔しさの方が先に出てきた。」と悔しさをにじませながらも、「自分よりも周りの方が喜んでくれたのが嬉しかった。一緒に出場した佐藤風雅選手が自分よりも先に喜んでくれたので、ワンツーフィニッシュできて良かったとしみじみ感じた。」と笑顔を見せた。

世界陸上に向けては、「この記録で世界と戦えるとは思っていないので、44秒5以内のタイムにどう向かっていくかが大事になってくると思う。まずは日本記録(44秒78)を必ず更新しなくてはならないと思いますし、海外の選手に競り勝つということを意識してやっていきたい。」と意気込みを語った。

そして代表に内定しているアジア大会(中国・杭州)については、「ひとつアジアのタイトルを取ることが出来たが、これを2回3回と続けていかないと意味がないと思うので、アジア大会のタイトルも取れるように準備していきたい。」と再びアジアの頂点に立つことを見据えていた。

個人での活躍だけでなく、4×400mリレーのメンバーとしても出場が予定される佐藤。ブダペストでは更なる飛躍に期待が高まる。
(写真左から、佐藤風雅選手、佐藤拳太郎選手、高山峻野選手)


■佐藤 拳太郎(さとう・けんたろう)
1994年11月16日生。埼玉県出身。富士通所属。
城西大時代の2015年にはアジア選手権(武漢)400mで銅メダル。同年のユニバーシアード、世界陸上北京にも4×400mリレーのメンバーとして出場。その後も、世界陸上には2017年ロンドン、2019年ドーハと出場し、2021年東京オリンピックにも出場した。
今年は5月の静岡国際陸上で8年ぶりの自己ベストとなる45秒31をマークするなど、好調をキープしている。