博多祇園山笠に参加している「山のぼせ」の医師がいます。中洲流で若手を統率する「赤手拭」と「救護係」を兼ねる男性も、15日フィナーレの「追い山笠」を迎えます。
◆きっかけは屋台
今年の四番山笠・中洲流。後輩たちに舁き棒につくタイミングを教える男性がいました。空閑玄明(くが・ひろあき)さん(43)です。山笠に参加するようになったのは、7年前。仕事で地元福岡に戻ったことがきっかけでした。
中洲流 空閑玄明さん
「帰り道に屋台に行ったら屋台の主人が当時取締をしていて。『興味があったら入っていいよ』と言ってもらったので入ることになりました」
◆産業医の仕事も期間中は「休みます」
普段は、担当する企業で、社員の健康を管理する産業医として働く空閑さん。山笠の期間中はあわせて10日も休みを取る「山のぼせ」です。
中洲流 空閑玄明さん
「休んでいる間は、後輩の先生にお願いしたり保健師の先生に負担をかけたりしていますが、理解してもらっているのでありがたいです」
◆「救護係」は後ろを全コース走る
舁き山笠が動き始めるのは7月10日の「流舁き」から。空閑さんの顔も一段と引き締まります。若手を統率する「赤手拭」を務める空閑さんは、中洲流の「救護係」も兼務しています。山笠の各流には、けがに対処する「衛生」という役職がありますが、中洲流では「衛生」と「救護係」が連携して負傷者などを手当をしています。
前の救護係 緑川孝二さん
「救護係は山笠の後ろを全コース走らないといけないので、それがだんだんきつくなって誰かいないかなという時に空閑が来てくれて。『救護係をしてくれないか』という話からスムーズに移行できました。今は安心して任せています」
空閑さんは、「救護係」として後方から男たちの様子を見守りながら舁き手にも回ります「流舁き」が中盤を迎えた頃、空閑さんを呼ぶ声が聞こえてきました。
「空閑先生いますか?」
「5丁目空閑ー!空閑ー!」
「空閑行った、空閑行った!」
空閑さんが足を痛めた男性に声をかけました。
中洲流 空閑玄明さん「歩けます?」
男性「ごめんなさい大丈夫です」
中洲流 空閑玄明さん「詰所で落ち着いたほうがいいと思います」
空閑さんは、男性のけがを軽傷と判断。負傷した男性は、「衛生」の男たちと詰所に向かいました。
中洲流 空閑玄明さん
「多分軽傷だと思います。足に急に負荷がかかったからじゃないかな。そのまま詰所に返すか病院に行かせるかを判断して衛生の人に引き渡せたのでよかったです」
中洲流 川原武浩取締「けがする人も出てしまうけれど、きちんと連絡して対処できる体制ができているので安心してみんな山笠に参加できるんです。救護係の存在は心強いです」
「追い山笠」のリハーサルにあたる「追い山笠ならし」では、舁き山の側面「右肩胡瓜舁き」と呼ばれる位置での「櫛田入り」を任されました。
◆15日は追い山笠で フィナーレ
「櫛田入り」の大役を終えた後は「救護係」として、男たちに変わった様子はないか確認しながら舁き山笠の後方を走ります。「追い山笠ならし」で「中洲流」はけが人を出すことなくゴール地点となる「廻り止め」に到着しました。
中洲流・空閑玄明さん
「無事に終わりました。でも山小屋までが山笠なのでもう少し見届けたい」
15日の追い山笠でフィナーレを迎える博多祇園山笠。空閑さんは若手を統率する「赤手拭」と、男たちを見守る「救護係」として、早朝の博多の街を走ります。
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