8月にハンガリー・ブダペストで開催される世界陸上マラソン代表が、トラック種目で調整した。ホクレンDistance Challenge2023深川大会が7月5日、北海道深川市陸上競技場で行われた。山下一貴(25、三菱重工)と佐藤早也伽(29、積水化学)の世界陸上ブダペスト大会マラソン代表2人が出場。山下は10000mで29分16秒31の17位、佐藤は5000mで16分00秒27の3位。ともに自身の期待を下回る結果だったが、これから本格化するマラソン練習に向けて気持ちを切り替えていた。
「平地と同じタイムで高地練習を」と佐藤
佐藤は15分40〜50秒を目標にしていたが、3000m手前で先頭集団から後れ、16分00秒27の3位(日本人2位)でフィニッシュした。
「満足できる結果ではありません。キツくなってから、(練習ではなくレースの)速いスピードで粘る力がありませんでした」
1月の大阪国際女子マラソンでは激しく転倒し、ヒザを強打して完走できなかった。野口英盛監督によれば、そのときの傷は練習に大きく影響しなかったが、3月にアキレス腱に痛みが出て、練習再開は4月中旬までずれ込んだ。
現在はまだ完全に立て直せていない。7月1日のホクレンDistance Challenge士別大会10000mが、5か月ぶりのレースで32分38秒71の1位。レベルが高いレースではなく、野口監督から合格点は出なかった。だがすでに、6月からマラソン練習に入っていることを考えれば、トラックで自己記録(31分30秒19)に迫る走りは難しかった。
「久しぶりにレースを(2本)経験して、良い刺激をもらいました。今日のレース結果を踏まえて、色々整理しながら頑張って行きます」
7月10日から米国ボルダーで合宿に入る。コロナ禍以前に高地練習の経験はあるが、初マラソン(20年3月)以降では初めての高地トレーニングになる。
「日本でやっているマラソン練習と変わらないタイム、レベルでボルダーでも練習したいですね」
8月の世界陸上では「入賞」が目標だ。
「目標だった日本代表に初めてなることができました。すごく楽しみです」
ホクレンDistance Challenge2大会が、マラソン練習を本格化させる合図になった。