「To Be With You」 などのヒット曲で知られ、日本でも多くのファンを持つ、アメリカのロックバンド「MR.BIG」。

2018年にメンバーの一人が亡くなったことを受け、解散を決めましたが、バンドは、今月20日から始まる最後の日本ツアーを前に、難病に苦しむ日本の患者支援のためにメンバーの遺品をオークションにかけると発表しました。

オークションは、今月20日から31日までの期間、開催され、2018年に亡くなったドラマー、パット・トーピーさんが過去に日本公演で使用したドラムセットなどが出品されます。

パットさんは体が自由に動かせなくなる難病・パーキンソン病を発症し、その影響で亡くなったことから、オークションの売り上げは、経費を差し引いた全額を日本のパーキンソン病患者の支援団体に寄付するということです。

1989年にメジャーデビューしたMR.BIGは、バラードの「To Be With You」がアメリカでNo.1ヒットを記録すると、以後、ロックバンドとして世界的な人気を博してきました。

デビュー当初から日本とのつながりは深く、親日家バンドとしても知られています。

1995年の阪神大震災の翌年には神戸でチャリティーライブを開催したほか、2011年の東日本大震災後、外国人アーティストとしては誰よりも早く被災地に入り、ライブを行うなど、日本のファンに寄り添う姿勢を鮮明にしてきました。

MR.BIGはパットさんが亡くなったことを受け、解散することを決めていて、今月20日からは「さよならツアー」となる最後の日本公演が東京・名古屋・大阪で行われます。

パットさんの妻・カレンさんからのメッセージ

「日本の皆様、息子のパトリックとパットの妻カレンです。この度は夫であるパットが使用したドラム・セットをオークション出品し、一般社団法人「全国パーキンソン病友の会」様へその売上金を寄付させて頂く名誉に預かったことを非常に光栄に思います。おそらく多くの方がご存知かと思いますが、若かりし頃のパット・トーピーはドラムと恋に落ち、彼は人生の中でいくつかのバンドで演奏することになりました。その中でもミスター・ビッグのメンバーと一緒に周ったワールド・ツアーは彼にとっては何ものにも代えがたい特別なものでした。彼は良く私に、心の中にある特別な日本と日本人の皆さんの素晴らしい親切さを教えてくれたものです。パットがパーキンソン病と闘病している間、特に彼が参加した最後のジャパン・ツアーでは多くの方からの温かいのお言葉や支援を頂きましたことを、ここに改めて感謝申し上げます。そして今回、日本の皆さんへの"恩返し"として、パットがジャパン・ツアーで使用したドラム・セットをオークション出品し、その金額を一般社団法人「全国パーキンソン病友の会」様へ寄付させて頂きたく思います。今後も変わらぬご支援を宜しくお願い申し上げます。愛を込めて。パトリック&カレン・トーピー」