富山県東部を襲った豪雨から2週間が経ちました。立山町では白岩川ダムの下流で堤防が決壊農業被害が広がりましたが、ダムの上流でも流木や土砂が流れ込んだ水田が手つかずのまま残されています。

記者:「ここにもともとがかかってたってことなんですかね?あとかもなく崩れ去ってますね」

川沿いに残されたおびただしい数の流木。

カメラマン:「え、こっちも?」

大雨の前まで水田だったとは思えない景色が広がっています。

記者:「こちらの田んぼでは大量の流木と土砂が残っていて、手がつけられない状態となっています」

立山町の白岩川ダムの上流、目桑地区では、先月28日の記録的な大雨で大量の流木や土砂が流れ込み、水田に壊滅的な被害が出ています。

用水路が壊れて田んぼに水を引くことができない田んぼも多く見られます。

男性:「あそこの広い間、田んぼ全部だめだわ」
女性:「先祖様に申し訳ないなと思うくらい。一生懸命基盤整備して、高いお金払うなりこんなことになったでしょ」「私らの時代ではもうあきらめだね。作る人ももうおらんようなるでしょ」

目桑地区の65歳以上の割合は80%。高齢の農家が多いため、住民たちは被害をきっかけに辞める農家が増えることを心配しています。

先月28日に県東部を襲った記録的な豪雨。立山町の白岩川の流域一帯で、住宅や田んぼが浸水する大規模な被害が発生しました。農地や用水、農業施設の被害はあわせて80か所にのぼっています。

12日、下流の白岩地区では、流された用水路の代わりに田んぼに水を引くためのパイプが設置されました。

田んぼの所有者:「(稲が)立ちっとるところだけでも収穫できればいいかなと思っとるんですけどね。早い段階で復興させてくださいよと。一年でも二年でも空いてしますと農家ってやる気がなくしてしまったらそれで終わり」

ほとんどの田んぼは流木や土砂が残ったままですが、町では、被害が少なく収穫ができそうな田んぼから優先順位をつけて応急工事をしていく方針です。

11日夜開かれた東谷地区の町政懇談会では、住民から農地や用水の復旧について質問が相次ぎました。

住民:「柵が壊れとるんです。だからイノシシ入ってきとるんです。そのお金はどうなんるんですか」

住民:「被害があちこちでいっぱいあるのはわかってるんですけど、今後どのように復旧の計画を立てて、工事してもらえるのか」

これに対し立山町の舟橋町長は。

立山町 舟橋町長:「どの田んぼを残すか、どの用水を残すのか。これはもう無理だっていうんだったら違う用途に変えよう。その代わり違うところでみなさんに田んぼをやってもらおうというような作業をしていきたいなと考えております」

補助金の交付額を決めるための「災害査定」には通常3か月程度かかりますが、立山町は、被害の大きさからおよそ5か月かかると見ていて、本格的な復旧工事の開始は来年度以降になると見ています。

一方、住民からは、ダムを建設してから初めて緊急放流を実施した白岩川ダムについても…。

住民:「緊急放流になる前に水を出してほしい。こんな怖いことがないように県に申し入れてほしい」