ウクライナの加盟などをめぐって協議が行われている、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議。2日目のきょうは、先ほどまで岸田総理も出席した会議が行われました。日本の狙いについて、現地リトアニアからお伝えします。

初日に出された共同声明では、ウクライナのNATO加盟について明確な時期は示されず、依然、道筋は不透明なままです。

ウクライナをめぐる対応について世界が注目する中、岸田総理は今回の訪問を通じてインド太平洋地域の安全保障に、NATOをより関与させたい狙いがあります。

ウクライナ侵攻が始まって以降、岸田総理は一貫して「力を背景とした一方的な現状変更の試みは許されない」と、国際社会に訴え続けてきました。

念頭にあるのは中国です。岸田総理は去年のNATO首脳会談で、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と訴えるなど、中国の脅威に対する危機感をあらわにしています。

連携強化により、NATOがインド太平洋地域にも関与すれば、日本の安全保障をさらに強固にできるというのが総理の狙いです。

岸田総理
「インド太平洋への関心と関与を高めるNATOとの連携を一層深化していきたい」

今回の訪問では、NATOとサイバー防衛や宇宙安全保障など、新たな課題に対応するための協力文書を発表し、関係はより深まったと言えそうです。