感染対策で企業や飲食店などで使われていたアクリル板。新型コロナの5類への移行を受けて、不要になったアクリル板を回収して再利用する動きが石川県内でも進んでいます。

飲食店などで見られたアクリル板は今や…

飛沫防止のため飲食店やオフィスに設置されたアクリル板ですが、自治体によっては一般ごみとして処理できず処分方法が課題となっています。

「問い合わせの数は月を追うごとに増えている。役所や学校関係からの引き合いが増えている」

こう話すのは金沢市福増町の樹脂カバーを製造する企業、石川プレートの大友隆行社長です。石川プレートは新型コロナの感染拡大を受け、去年までの3年間で6000セット以上のアクリル板を生産・販売しました。

石川プレートの大友隆行社長

しかし感染症法上の位置づけが5類へ移行した今年5月以降、「捨て方が分からない」「今後どうすればよいのか」といった問い合わせが相次いでいるということです。

石川プレート 大友隆行 社長
「アクリル板を2020年に販売し始めた当時から、絶対に社会問題になるというのが目に見えていた。例えば接着だったり曲げ加工だったり、いろいろなものに利用しやすいような材料で作っていた」

石川プレートでは自社製のアクリル板の回収を6月から始めました。

記者リポート
「アクリル板を加工する作業が行われています。このアクリル板、割れないようにカットするためにはこのような専用の機械が必要で、この機械は1000万円程するということです」

アクリル板を加工する専用の機械

再利用の方法について社内でアンケートを実施。その結果、花瓶や小物ケース、壁掛けティッシュケースなどに作り直し、加工費のみで販売することにしました。

小物入れやブックエンドに生まれ変わったアクリル板
花瓶などに生まれ変わったアクリル板

石川プレート 大友隆行 社長
「使えるものを捨ててしまうのが一番、我々にとって心苦しい。必要な時代に必要なものを作り込んでいく。そして皆さんに使ってもらえるのが、ものづくりの企業としての責任ではないか」