NATO首脳会議が開かれるリトアニアは、ロシアの飛び地、カリーニングラードと、ロシアの同盟国であるベラルーシに国境を接していて、首都・ビリニュスはベラルーシ国境から30キロほどしか離れていません。こうした場所にNATO首脳らが集まり、対ロシアへの防衛強化を議論するわけで、ロシアは神経を尖らせているはずです。

Q:会議のポイントはどういった点でしょうか?

ロシアの侵攻が続く状況で、長期的にウクライナを軍事的にサポートするための「複数年の支援計画」の内容、またウクライナが求めるNATO加盟も焦点ですが、ロシア側は「ヨーロッパの安全保障体制にとって極めて悪影響だ」とけん制しています。

加盟国からも慎重な意見が出ていて、会議では「将来的な加盟」に向けてどのような道筋がつけられるかが焦点となります。

Q:会議には岸田総理も出席しますが、日本の狙いはなんでしょうか?

ある外務省幹部は「日本外交にとってヨーロッパとの関係が“旬”であり、これから発展させる余地がある」と語っています。

背景には厳しさを増す国際情勢があります。ウクライナ侵攻のほか、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、インド太平洋地域でのNATOとの連携強化も狙いで、日本はG7議長国として国際秩序の維持・強化もリードしたい考えです。