「部活動は教員の自由裁量」と反論され…

くも膜下出血の発症前までの時間外労働は、3か月連続で100時間超。地方公務員災害補償基金県支部は、男性教諭が亡くなったのは長時間労働による「過労死」と認定しました。

妻と2人の子2019年、富山県と滑川市にあわせて約1億円の損害賠償を求める訴えを富山地裁に起こしました。

亡くなった男性教諭の妻:「主人のことを美談で終わらせたくはないんですよ。そのあとに残された先生たちがまた同じことになるんじゃないか、もう自分たちと同じ思いをする家族が、また生まれてしまうんじゃないかっていう思いだけで、裁判を始めようと思いました」

妻らの訴えに対して市側は「部活動の指導は教員の自由裁量」と反論。賠償責任はないとして請求棄却を求め、県側も市の主張に沿って争う姿勢を示しています。

亡くなった男性教諭の妻:「主人は教員の仕事がすごくすごく好きだったんですよ。なので教頭にも校長にもならなくて、一生教員でいたいんだって言ってたんですね。だからそういう熱い思いがある人が追い詰められてしまってすごく悔しかったんです。子どもたちが将来、教師になりたいってもし言ったとしても、絶対反対しますね」

教員の過労死については、生徒や教育に力を尽くした教員の“美談”として扱われ、過重な長時間勤務について市や県の責任が問われることが少ない中、教育現場の配慮義務違反の責任を問う今回の裁判。

判決は7月5日に言い渡されます。