島根県は7月2日、出雲市の社会福祉施設で腸管出血性大腸菌O157感染症患者が集団発生していて、現在30人にのぼっていると発表しました。県は、今後も感染者が増えるみこみとしています。

島根県では、5月29日に雲南保健所管内の小学校に通う女の子の感染が分かったのをはじめ、6月1日には同じ小学校に通う別の女の子の感染が分かりました。その後、23日と24日にも出雲市内で2人の感染が分かっています。
今回の集団感染については、6月25日に感染が分かった出雲市の女性(40代)の接触者のうち、感染確認された幼児と同じ社会福祉施設に通う別の幼児3人の感染が30日に発表されていて、その関連の調査で新たな感染患者が確認されたものとみられます。

島根県感染症対策室は、7月2日午後3時から県庁で緊急で会見を開きました。それによりますと、出雲市の社会福祉施設であわせて30人の感染が分かったということです。さらに感染者が増えるものとみられます。

梅雨に入り高温多湿の日が多くなっているため、食中毒への注意が必要です。腹痛や吐き気などが数日続くこともある食中毒は、重症化すると命に関わることもあります。

感染症に詳しい医師によりますと、中でもO157は、加熱が不十分な食肉などが原因となることが多く、感染すると激しい腹痛、著しい血便となることがあります。そして、小児や高齢者では重症化することが稀にあり、溶血性尿毒症症候群や脳症を合併する可能性があるため、注意が必要といいます。

溶血性尿毒症症候群(HUS)は、全身に小さな血栓ができて、脳、心臓、腎臓などへの血液の流れを妨げる病気で、特に子どもや高齢者は重症化しやすく、最悪死に至る危険性もあるといいます。

食中毒に詳しい専門家は、食中毒予防の3原則として、菌をつけないこと、増やさないこと、殺菌することの3つを挙げています。高温多湿の今の季節、菌を「つけない・増やさない・殺菌する」の3つが大切だとしています。