ユネスコ=国連教育科学文化機関の臨時総会がフランス・パリで開かれ、トランプ前政権時代に脱退したアメリカの復帰をめぐる決議案が採択されました。

記者
「アメリカの復帰をめぐって加盟国が集まりましたが、議論はそう簡単には進みそうにありません」

臨時総会は2018年、トランプ前政権時に脱退したアメリカの復帰をめぐる協議を行いましたが、初日はロシアが議事進行をめぐって異議を連発し、実質審議は2日目に持ち越される事態となりました。

2日目も5時間以上の議論の末に採決が行われ、中国やロシアなど10か国が反対したものの、賛成多数で決議案は採択されました。

アメリカは脱退後、中国が影響力を強めていたことを懸念していました。

一方で、復帰後はユネスコ予算の22%相当の分担金を拠出することになります。

決議案の採択を受けて、アメリカのブリンケン国務長官は「勇気づけられるとともに感謝している」との声明を発表。「アメリカは世界と関わることでより強くなり、より繁栄する」「ユネスコに再加盟することで、国際社会におけるリーダーシップを取り戻すでしょう」などと積極的に関与していく考えを表明しました。