桂浜水族館でオットセイの引っ越しが行われました。新たな展示方法のための引っ越しで、当のオットセイもそわそわ…その模様に密着しました。

大雨の中、オットセイの展示スペースの前に飼育員たちが集まりました。これから行われるのは、ミナミアメリカオットセイの“引っ越し”です。

引っ越しの理由とは?

元々、離れたスペースで暮らしていたオットセイとアシカ、そしてトド。実は同じ「アシカ科」の生き物で、その違いを近くで見比べてもらおうと、並べて展示することになったのです。

(桂浜水族館 飼育員 高木竣斗さん)
「トドはアシカの仲間で一番大きな体になる種類で、カリフォルニアアシカは日本で言うと水族館にいる一般的なアシカ。ミナミアメリカオットセイは、(アシカより)体がひと回り小さい。大きさ以外だと、毛の長さが全然違って、ふわふわな感じ」

この日のために半年かけてトレーニングを行いました。さらに、新居の隣にいるトドがプレッシャーを与えないよう、プールの水を抜いて準備をしてきました。

まずは、オットセイの「クオ」が大きなケージに入りました。

何人もの飼育員が支えながら、”引っ越し先”に向かいます。

新居となる新しいスペースは、こちらのプール。ケージを開けて、クオが出てくるのを待ちます。

エサの魚で誘導してみるも…

前向きですが、繊細な性格だというクオ。なかなか出ようとしません。新居に少し、緊張しているようです。

待つこと20分。鼻先を水面につけ…ついにプールに飛び込みました。

そわそわとしている様子のクオですが、無事に引っ越しが完了しました。

時間がかかってしまったため、もう一頭の「キネン」の引っ越しは7月1日に持ちこしです。

(桂浜水族館 飼育員 高木竣斗さん)
「最初は不安だと思うんですけど、だんだん慣れてくると思うので、慣れてきたらまた違った顔が見えると思います。アシカとひとくくりにしちゃうといろんな種類がいるのがもったいないので、違いを見ていただいて興味を持っていただいたらうれしい」

オットセイが展示されていたスペースがどうかわるのかはまだ公表できないそうですが、「お客さんを楽しませられる場所」として活用するということです。