処理水放出今後の流れと課題

処理水の海洋放出までの今後の流れを見ていきます。30日、海洋放出設備の使用前検査が終了し、放出に向けた設備面の準備がすべて整いました。

7月4日には、政府とIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長が面会する方向で調整していて、ここで、包括的な報告書が示される予定です。

それを受けて政府は、放出する時期を判断するとみられます。その一方で、課題も残されています。政府と東電は、「関係者の理解なしにはいかなる処分もしない」としていて、松野官房長官は28日、この方針を「遵守する」と発言しました。

ただ、漁業関係者をはじめとした反対の声は根強く、理解が得られたとは言えない状況です。

このように、設備面の準備が先行し、理解が追いついていない状況で、今後、どう理解を得ていくのか。政府と東電は、自身の約束を果たしてもらいたいと思います。

▼処理水 福島の葛藤
処理水の海洋放出に向け、準備が大詰めを迎えていますが、関係者の理解や風評への懸念など、課題は残ったままです。TUFでは、処理水をめぐる課題や現状をシリーズでお伝えしています。