ロシアによる軍事侵攻で犠牲となった多数のウクライナ人の身元の特定が難しくなっていることを受け、来月上旬、ウクライナの警察官らが日本の警察に検視などの技術を学ぶため、来日する方針であることが分かりました。

来日するのは、ウクライナで実際に検視や鑑識活動にあたる幹部10人で、来月10日から14日の日程で、警察庁の科学警察研究所や都内の警察署などで研修を受けます。

ウクライナでは、ロシア軍による攻撃で多数の犠牲が出ている中、遺体の身元の特定が追いついていないという問題がおきています。

警察庁によりますと、今回の研修はUNDP=国連開発計画を通じて要請があり、東日本大震災で、多数の遺体の検視と身元確認の経験がある日本の警察から、検視や鑑識の専門的な知識を学ぶことで、ウクライナでの犠牲者の身元特定に向けて技術を向上させる狙いがあります。

また、幹部らは福島県警も訪問し、津波による被災地を視察するほか、当時、検視や鑑識に関わった職員らのメンタルケアをどうしたかなどについても話を聞く予定です。