この夏にも予定される福島第一原発の処理水の海洋放出。東京電力は株主総会で「先送りできない」として、関係者の理解を求めました。

原発の敷地に並ぶ大量のタンク。大半の放射性物質を取り除いた「処理水」が入っています。

政府と東電は、処理水を海水で100倍以上に薄めたうえで、海底トンネルを通じて1キロ先の沖で放出する計画です。実施時期は夏頃としています。

これについて、東電はきょう株主総会を開催し、「処分は先送りできない」として株主に理解を求めました。株主は…

放出に反対する株主
「処理水は絶対反対。海は世界中繋がってる。薄めたからといって、たくさん流していいのか」
放出に賛成する株主
「賛成。風評被害はあるかもしれないが、私は全然問題にならないと思う。十分希釈しているから」

政府と東電はきょうも「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」と話しましたが、漁業団体は反対の姿勢を崩していません。

全国漁業協同組合連合会 坂本雅信 会長
「処理水を流されることは、やはり死活問題」

政府と東電は、近くIAEAがまとめる報告書を踏まえて放出時期を決めるとみられますが、理解を得た上となるかは不透明です。