投球練習をする、新山要 選手の前にはゴムバンドを張ります。これによって、ボールを低めに集めるための感覚を養おうと試みます。

新山要 選手
「前まではボールが沈んでいたんですけど、投げ込む中で低めの球が伸びるようになりました。ぼくからしたら迫田監督は最高の監督です。一生懸命やりたいと思っています」

捕手の 寺戸暖 選手の足元には、足を踏み出す方向を示すラインが引かれます。やるべきことを、迫田監督はとことん「見える化」します。

寺戸暖 選手
「送球はできるようになったと思うんですけど、まだまだ上は目指せるので、現状満足せず、練習していきます。迫田監督は、普通の人では見ていて気づかないところを指摘してくれる」

ただ、迫田監督は83歳。選手との年齢差は感じています。
迫田監督
「おじいさんより25歳年上って言われました。わたし、先日、ひ孫が生まれましたが、かわいいばっかりで、そういう世代の子どもさんと話をするには勉強もしないといけない」
ここでも、迫田監督のアイデアは光ります。選手とはYouTubeやメールを駆使して、本音をぶつけあいます。

迫田監督
「これだけ年齢が違うと選手も面と向かって、わたしにものが言えませんが、メールならいい返事をしてくれます」
去年は35年ぶりベスト16入りを果たした竹原高校。声で、体で、SNSで、83年の経験を、命を懸けて、つなぎます。
迫田監督
「野球をやるのは楽しいです。自分が練習したことが少しでも成功したらうれしいものです。それを教えて “良かった” と言ってもらうのが、一番の夢ですね」
