6月27日から始まるバレーボールのネーションズリーグ予選ラウンド第3週タイ大会のメンバーに選出され、2018年の世界バレー以来、約5年振りの国際大会出場が期待される長岡望悠(31)。眞鍋監督は「彼女の早いライトからの攻撃は魅力的」「タイに最高のコンディションで来てもらった」と期待を寄せる。
2016年のリオ五輪でチーム最多得点を挙げ、サウスポーエースとして期待されていた長岡だが、17年3月と18年12月に左膝前十字じん帯を損傷。その後復帰も、右膝を痛め東京五輪出場は叶わなかった。2度の大きなケガを乗り越え再び代表復帰を果たした31歳の思いを聞いた。
Q.日本代表のユニフォームを久しぶりに着た今の気持ちは?
長岡選手:
やっぱり今のチームが積み上げてきたものっていうのがあると思うので、しっかりそれにアジャストできるようにやっていけたらいいなって思います。
やっぱりこういう年齢になって、まだ自分がワクワクしてチャレンジできるものがあるっていうのがすごくありがたいなと思います。
Q.チームでは年齢が上の方だと思うんですけど、改めてチームを背負っていくことについて
長岡選手:
やっぱりバレー自体がすごく若返っているなっていう印象で、私がVリーグに入った頃は30歳前後の選手だったり、35歳過ぎぐらいまではまばらに選手がいた印象なんですけど、今は本当に私たちの代が、(岩崎、旧姓:富永)こよみさん(34、埼玉上尾メディックス)が一番上ですかね。若い子たちの層がすごく厚くなってるので、本当に時代で全然変わるんだなって思って。
Q.長岡選手は佐野優子さんだったり、荒木絵里香さんだったり、30歳を過ぎても第一線で戦う姿を見てきている。今は後輩たちに伝えていく立場だと思うんですけど、そのあたりはどうですか?
長岡選手:
合流して今は1週間ちょっと、10日ぐらいなんですけれども(取材当時)、初めて話す子たちの方が多いぐらいで。でもその子たちから、どんどん気さくにオープンに話してくれるのですごく嬉しいですし、やっぱりそういう雰囲気がいいなと思いますね。
Q.籾井あき選手(22、JTマーヴェラス)が「憧れている選手、私は長岡選手」と言ってました。
長岡選手:
憧れっていうか、もう・・・(笑)
Q.「めっちゃ好きです!」と。感じますよね?
長岡選手:
そうですね、気付いたらここにいますね(笑)また来た、みたいな(笑)
Q.どんな会話をするんですか?
長岡選手:
どうでもいい(会話)。昨日は、軽食のスティックがあって、それを籾井は食べたかったんですよ。でも食べ過ぎたら結構太るから注意されてて。でも「食べたい」と。だから半分よこしてくれって言うんですよ。「望悠さんが一緒に食べるって言ったら怒られないから半分よこしてくれ」って。みんな可愛いです。
Q.眞鍋監督の印象は変わりました?
長岡選手:
すごく痩せられたなと。ダイエットしたって仰ってました。
Q.「こういうところを求めて呼んだんだよ」とか「こういうところを期待してる」みたいな話はあったんですか?
長岡選手:
そんな具体的な感じじゃないですけど、点数を取ることかなと思います。
Q.(今季は32試合に出場するなど)Vリーグの試合を見ても、コンディションが良さそうだなと思ったんですが、身体はどうですか?
長岡選手:
ここ何年かで本当に一番良かったので、シーズンが始まる前に怪我なく最後までコートに立ち続けれたらいいなと思ってやってたんですけど、結果的には思ってたよりすごく段階を上げることができたので良かったです。
Q. 2回大きな怪我(17年3月と18年12月に左膝前十字じん帯を損傷)がありました。
長岡選手:
本当にいろんな気づきだったりとか、経験、出会いがあったので、怪我をきっかけに。なのですごく自分の中では大きな財産ですね。

Q.本当に代表復帰は感慨深いというか、本当にここまでよく戻って来たというところもあります。
長岡選手:
本当に怪我があって、その時々でいろんな出会いがあり、自分の中でたくさん変化が起こったんですよね。それでそのたびに見える世界が変わっていって、そのいろんな出会いに助けられながら今があると思うので、本当にこうなるとは思ってもなかったようなバレー人生ですね。
Q.東京オリンピックの時に、メンバーから外れたと思うんですけど、その時はどういう話があったんですか?
長岡選手:
逆の膝を練習中に痛めてしまって、やっぱりなかなか自分がそこを越えられなかったっていう感じでしたね、その痛みが強かったので。
Q.日本代表でいうと、パリ五輪でメダルを獲るというところを目標にやってると思いますが、そこへ向けて、長岡さんの気持ちは、今どうですか?
長岡選手:
すごく、チャレンジできることにワクワクしてます。
Q.ネーションズリーグは世界各国を転戦する大事な戦いだと思いますが、どういう位置づけにしてますか?
長岡選手:
ここまで段階は順調に上がってきてるので、それをやっぱりもう1段階上げないといけない。まずはフィジカルの面で、しっかりそこに対応できるところまで質を上げていくっていうことと、技術的なところでも高さだったり、パワーのある相手に対しての戦い方っていう部分で切り替えが必要なので、そこも一緒にしっかり質を上げて良い準備をしていけたらなと思います。
Q.久しぶりに海外のチームとプレーすることについてはどうですか?
長岡選手:
楽しみです。
Q.最後が東京五輪直前の東京チャレンジ。まだ無観客だったかなと。
長岡選手:
そうですね、中国戦は無観客でした。
Q.それ以来の、今度はお客さんも満員で入るところでのプレーになります。
長岡選手:
本当に嬉しいと思います。なかなかそう当たり前じゃないことなので、すごく楽しみです。
Q.パリ五輪の出場権がかかった大事なシーズン。ネーションズリーグもありますが、今季の意気込みをお願いします。
長岡選手:
今のチームが積み重ねてきたものがあると思うので、それの方向性っていうのをしっかり確認できたので、しっかりそこに自分がアジャストしていけるように、質を大事にやっていけたらなと思います。
■長岡望悠(ながおか・みゆ)
1991年7月25日生まれ、福岡県出身。179センチ。東九州龍谷高校(大分)卒業。V・プレミアリーグMVP2回(2012/13、2015/16)、2014年AVCアジアクラブ選手権大会MVP獲得。2016年リオ五輪出場。