こうした反乱は、ウクライナ侵攻の戦況にどのように影響してくるのか。ウクライナで取材を続けている増尾さん。
私がいるのは、ウクライナ南部ヘルソン市内です。
後ろに見える川がドニプロ川ですが、この川の奥、7キロほどのところにロシア軍の前線があり、まさに川を挟んで、ウクライナ軍とロシア軍がにらみ合っている場所でもあります。
ウクライナ軍は今月上旬から領土を奪い返そうと本格的な反転攻勢に出ていますが、まさにここもウクライナ側による反攻の可能性が指摘される場所でもあり、数分に一度砲撃音が鳴り響くなど、緊迫した状況が続いています。
そうした重要な局面のさなかに起きたロシアでの反乱ということもあり、ウクライナでの関心は非常に高いです。
地元メディアも連日最新情報を伝え続け、市民の間でも今回の反乱に乗じたウクライナ側の攻勢が強まるのではないかという期待の声が多く聞かれます。
一方で、戦況への影響についてはウクライナ側からの目立った言及はありません。
ただ、地元当局によりますと、ヘルソン市内ではおととい、きのうと、ロシア側からの砲撃の頻度がぐっと少なかったということです。今回の反乱がロシア側前線部隊の指揮系統に少なからず影響を及ぼした可能性は考えられます。
さらに、ロシアが占領する向こう岸にウクライナ軍の一部が渡り、そしてロシア軍と戦闘になっているのではないかという情報がけさから出始めています。
今回の反乱との因果関係は分かりませんが、いまが好機と捉えた動きの可能性も考えられます。
いずれにせよ、ロシア国内での混乱は収まったとは決して言えませんので、この混乱がより深く、長いものになれば、長期的にはその分だけ戦況に影響を与えてくるものとみられます。
注目の記事
「やっと技術が認められた」従業員約70人の町工場が開発 量産可能な最高水準の緩み止め性能のボルト 【苦節21年の道のり 開発編】

“ポンコツ一家”で過ごした5年間 認知症の母と一発屋芸人 にしおかすみこさんが語る「ダメと言わない」介護【前編】

「下請け」は"NGワード" 法改正で消える暗黙の上下関係 フリーランスも保護【2026年から変わること】

パンや味噌汁でもアルコールを検知してしまう?飲酒してなくても摘発されてしまうのか 警察に聞いてみた

【実録・詐欺犯VS警察官】 詐欺電話を受けたのは“本物の警察官”「信号検査・逮捕令状・強制捜査」次々に出る専門用語…人々が騙される巧妙な手口を公開

3年で20本が切断…台湾「海底ケーブル」が直面する脅威と中国の影 最前線・沿岸警備隊パトロールに日本メディア初密着【後編】









