ドイツに続きフランスを訪れた中国の李強首相はマクロン大統領と会談し、両国の関係を一層、強化する考えを示しました。対中包囲網を強化する欧米諸国の足並みの乱れを誘う狙いがあるとみられます。

中国外務省の発表によりますと、李首相は22日、マクロン大統領との会談で「中国とフランスにはそれぞれの強みがあり、協力をさらに強化すべきだ」として、原子力や航空宇宙、環境などの分野での関係をさらに強化する考えを表明。

また、「中国企業がフランスへ投資することを奨励する」とも強調しました。

これに対し、マクロン大統領は「フランスは中国との関係を重視している。対話や交流を通じて中国との協調を強めたい」と応じたということです。

マクロン大統領は4月に中国を訪問し、習近平国家主席と会談。その後、台湾問題をめぐり「アメリカと中国の対立から一定の距離を保つ『戦略的な自立』を確立すべきだ」との持論を展開したことから欧米諸国からは批判も出ていました。

李強氏にとって今回のドイツ・フランス歴訪が3月の首相就任以降、初の外遊で、アメリカとの対立が深まるなか、中国としてはドイツやフランスを取り込むことにより、対中圧力を強める欧米の足並みの乱れを誘いたい狙いがあるとみられます。