今年7月に開幕する世界陸上オレゴンの男子マラソン代表、星岳(23、コニカミノルタ)が25日、アメリカに出発した。前日、取材に応じた星は「日本人のトップ、入賞圏内に絡むような走りが出来れば」と初の世界陸上へ意気込んだ。

恩師の言葉「陸上で人生を変えよう」

アメリカ出発前最後の練習

まさに“新星”だ。今年2月の大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会で、2時間07分31秒の初マラソン日本最高記録をマークし優勝。自身も「優勝は正直驚きだった」と振り返るが、世陸代表を勝ち取った。

子どもの頃は野球少年。小学5年生で野球を始め、中学時代はサードを守った。中学3年生の時に出場した仙台市の駅伝大会をきっかけに陸上の道へ。村山謙太(29、旭化成)、村山紘太(29、GMOアスリーツ)らを輩出した宮城県の強豪、仙台大学附属明成高校陸上部の中村登教諭から「陸上で人生を変えよう」と勧誘を受け、心を決めた。

高校時代は全国区の選手ではなかったが、箱根駅伝の常連校・帝京大学に進学。2年時には10区区間賞、3年と4年時はエース区間の2区を任されるなど3度箱根路を走り、2021年にコニカミノルタに入社。ルーキーイヤーに挑んだ初マラソンで、大舞台の切符をつかんだ。「間違いなく人生が変わった。(中村先生は)恩師」と語る星。世陸代表内定を報告すると「自分のために頑張れ」と背中を押してくれたという。