アメリカ・バイデン政権の閣僚として初めて中国を訪問したブリンケン国務長官は19日、記者会見で「前進があった」と手応えを示すとともに、今後のさらなる対話の必要性を強調しました。

ブリンケン国務長官
「私たちは前進し、前向きに進んでいます。しかし、どの問題も1回の訪問、1回の会話では解決できません。これはプロセスであり、このプロセスにさらに関与していけることを期待しています」

ブリンケン長官は一連の会談で、競争が衝突に発展しないよう、高いレベルで対話を続けていくことの重要性を強調し、米中関係を安定させる必要性について中国側と一致したことを明らかにしました。

また、台湾海峡や南シナ海・東シナ海における中国の挑発的な行動について懸念を伝え、台湾については独立を支持しないとともに、一方的な現状変更に反対するとの従来の立場を強調したということです。

経済分野では、アメリカが中国を封じ込めようとは考えておらず、デカップリング=切り離しではなく、デリスキング=リスクの低減を求めていると説明したとしています。

ウクライナ情勢をめぐっては、中国がロシアに対して殺傷力のある武器を提供しない確約を得たと話しました。

一方で、止まったままの米中の国防当局間の対話の再開を訴えたものの、中国側が拒否したことも明らかにしました。