JR東日本が新たな輸送システムの構築に向けて実証実験です。新幹線で車両3つを使って大量の生鮮食料品などを首都圏へ運びました。実験の背景にあるのは物流の人手不足が予想される「2024年問題」への対応です。

新鮮な青森県産の活ホタテ、これをきょう運ぶのは東北新幹線です。新幹線で荷物を輸送するこのサービス・「はこビュン」は2021年から始まっていますが、今回JR東日本は初めて新幹線の車両基地で積み込みをする実証実験をしました。

この車両基地を使うことで台車が自動走行するラインを組むことができ、搬送作業の効率を上げられるか検証できます。こうした工夫を重ねながら、現在は新幹線1本で約40箱となっている輸送量を約600箱まで増やします。今回は車両3つを使い荷物を座席の間に固定して、そのほかの車両は新青森駅で旅行客をのせて運行しました。

※JR東日本マーケティング本部 堤口貴子マネージャー
「高速輸送ネットワークを活用した大量輸送で新たな輸送を構築していきたい。地方の良いものを首都圏に持って行って販売して地域を活性化していくことを狙い、少しでも多くの荷物を運べないかと」

なぜ、JR東日本は新たな輸送システムの構築を目指すのか。その背景にあるのが、物流の人手不足が予想される「2024年問題」です。

2024年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が年間で200時間以上引き下げられることで、荷物を運ぶ量が減ることや配送の遅れが懸念され、関係する業界が対応を模索していました。

※JR東日本マーケティング本部 堤口貴子マネージャー
「これだけ長いレールを持っているので一助は担えると思っている。ただ、多くの荷物10トントラック10台分20台分運べるかというとそういう話ではないと思っている。鉄道を使った方が良い商品について一助になって対応できれば」

今回の実証実験では荷物を大宮駅で降ろして東京都や埼玉県の小売店などに配送することになっていて、JR東日本は今年度実証実験を複数回行い、実用化に向けた課題を探る方針です。