性的マイノリティーへの理解に関する法律「LGBT理解増進法案」が今国会で成立する見通しとなりました。しかし、富山県内の専門家はようやく進んできた多様性への理解が「むしろブレーキをかけるおそれがある」として強い危機感を抱いています。
13日、衆議院本会議で可決された「LGBT理解増進法案」。与党が今国会での成立を目指すこの法案について、当事者団体は異議を唱えます。


当事者団体の代表:「LGBTとされる人々に対して理解を進めるということが、そんなにも誰かの安全を脅かすことなのか。私たちの存在ってそのようなものとして社会に認識されているのかと思うと本当に辛くなります」


当事者団体の代表として発言したのが、富山大学で性的マイノリティーの人権問題などを研究する林夏生准教授です。

富山大学人文学部 林夏生准教授:「(法案は)後退も後退。地雷だらけ。理解増進の取り組みにいろんな条件がつけられてきた」

LGBTへの理解を進めるはずのこの法案、実は当事者からは「差別増進法」と呼ばれ抗議の声が高まっているのです。その原因は、直前に入った「文言の付け加え」です。

先週になって急きょ、自民党が日本維新の会などと協議して修正を加えたことで、反対していた自民党議員の大半が賛成に回り、可決を後押ししました。