静岡県牧之原市を襲った突風の発生から約2年。蔵の全壊など大きな被害を受けた老舗のしょうゆ製造会社では6月13日、新たなしょうゆ造りに向けて大きな一歩を踏み出しました。再起のきっかけとなったは奇跡的に発見された「もろみ」でした。
長年愛されるしょうゆ油を製造している会社は、牧之原市で創業195年を迎える「ハチマル」です。
<伊豆川洋輔記者>
「こちらの住宅のあらゆる部分が吹き飛ばされてしまっています。あちらの大きなトラックは飛ばされ横転しています」
ハチマルは2021年5月、牧之原市を襲った突風で甚大な被害を受けました。この突風により3つの蔵が全壊し、1つが半壊しました。長年しょう油づくりを支えてきた蔵は、一晩でガレキの山になってしまったのです。
<ハチマル 鈴木義丸社長>
「落ち込むというよりは、想像を超えすぎて、現実を直視できなかった。何とか桶を並べて次の世代につなげていきたい」
がれきの下に埋もれていた配管から、約45年前に仕込まれた「もろみ」が奇跡的に見つかりました。もろみに含まれる酵母菌からしょう油づくりを再開できれば、「ハチマル」の味を復活させることができると鈴木社長の挑戦が始まりました。
このもろみを使い新たなしょう油づくりをスタート。約1年かけて熟成を進めてきました。もろみはナイロン製のシートで包み、重ね合わせていくことでしょうゆが搾られます。搾られたしょう油は、瓶詰め前の生の“しょうゆ”。その味は…。
<ハチマル 鈴木義丸社長>
「おいしいですね。甘い、塩角がとれて本当においしい」
鈴木社長にとって天然醸造でのしょうゆ造りは初めての経験。トライアル アンド エラーの繰り返しです。
<ハチマル 鈴木義丸社長>
「ようやくここまで来たなと。いろいろうまくいきすぎるより、ここでいろんな失敗をして全部、次の改善につなげていった方がいい」
奇跡のもろみが、いよいよしょう油の形に。老舗しょう油店の再建に向けた大きな一歩となりました。
今回、600リットルのもろみから搾られたしょうゆは試作品。鈴木社長は2023年秋の商品化に向け準備を進めるとともに、バイヤーにも試食をしてもらい、販路を広げたいとしています。
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