富山大学は薬学部薬学科に「地域枠」
かみいち総合病院 堀竜太郎診療技術部長:「人材の育成の仕組みがまだ整っていないのかなと…薬剤師の職場は病院だけではありませんのでそれぞれの職場に携われる薬剤師の育成は頑張って進めていく必要があるんじゃないかな」



薬学教育協議会の調査によりますと、6年制の薬学部に通う富山県出身は356人で全国でワースト4位の少なさ。人口1000人当たりで見ると最下位で、全国で最も薬剤師を目指す学生が少ない都道府県なんです。
そこで、富山大学は慢性的な薬剤師の供給不足は「地域医療」の基盤を損ね、「医薬品産業」の地盤沈下をもたらしかねないとして、富山県内に薬剤師が定着することを目指して地元高校出身者を対象に「地域枠」を設けることを決めました。
13日の富山県議会で新田知事は、富山大学が来年度から設置する薬学部薬学科の「地域枠」に対してー。

富山県 新田知事:「地域枠の学生が在学中の6年間に奨学金の貸与を受け、卒業後県内の公的病院、製薬企業、または行政機関で薬剤師として9年間勤務した場合、返還が免除となる案を本日午後に提示する予定です」


「地域枠」は県内の高校の出身者が対象で、県内で薬剤師として9年間働いた場合、奨学金の返還を免除します。募集定員は10人です。このほか、県では、今年度、公的病院で業務を体験できるインターンシップも企画。県外から参加しやすいように旅費のサポートも行っています。

13日の午後に開かれた薬剤師確保のための会合では、委員が奨学金制度の案について議論しました。


県からは、奨学金返還免除の条件である卒業後9年間のプログラムとして、地域の病院に就職する「地域医療」など3つのコースの案が示されました。

県病院薬剤師会 加藤敦会長代行:「この9年間という長い時間を複数の病院をまたぐということですので、できれば機能の異なる病院を経験することによって、それぞれの病院に対して果たすべき役割だとかやりがいが感じられるプログラムができれば」

くすりのシリコンバレー富山創造コンソーシアム 森和彦事業責任者「学生のうちから仕事の面白さ、クリエイティビティに気づかせるような、そういう仕組みを考えていくっていうのは大事なんじゃないかな」

協議会では、富山大学でのキャリア教育をはじめ、医療機関、製薬会社、薬局など県全体が連携して地域の薬剤師を育成していきたいとしています。奨学金制度の案は来月24日の協議会でとりまとめ、来年度の新入生からスタートする予定です。
