ロシア国防省が、志願兵に対し国防省と契約をするよう命令を出したことに対し、民間軍事会社「ワグネル」の創設者は「いかなる契約も結ばない」と反発しました。

ウクライナ侵攻が続くなかロシア国防省は10日、「志願兵部隊」に対し、今月いっぱいまでに契約を結ぶようショイグ国防相が命じたと発表しました。部隊の効率を上げるためのもので、契約により「志願兵部隊」が合法的なものになるとしています。

ロシアの独立系メディア「インサイダー」は、国防省が民間会社「ワグネル」を「志願兵部隊」と呼んでいたことから、この命令は「ワグネル」を掌握しようと試みたものではないかと分析しています。

ただ、ウクライナでの戦況をめぐりロシア国防省を度々批判してきた「ワグネル」創設者のプリゴジン氏は、発表を受け、ショイグ国防相とは「いかなる契約も結ばない」と反発。

ワグネルについて「もっとも経験があり非常に効率的な組織」としたうえで、「ロシア正規軍にそのような効率性はなく、まさにショイグが軍隊を適切に管理できないからだ」と痛烈に批判しました。ただ、ワグネルは「ロシアの利益」とプーチン大統領を意味する「最高司令官」に完全に従っているとしています。

また、プーチン大統領への忠誠心をアピールするロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長は、チェチェンの特殊部隊「アフマト」が契約を結んだとしています。