ロシアに対し反転攻勢に出ているウクライナ。南部と東部で7つの集落を奪還したとしていますが、中部の都市はロシアの攻撃を受け、30人近い死傷者が出たということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領が公開した中部クリヴィー・リフの映像。建物が燃え、焼け焦げた車も多数見られます。

現地当局者によると、ロシアによる攻撃で3人が死亡、25人がけがをしたということです。

一方、ウクライナはロシアに対する反転攻勢を本格化。

マリャル国防次官
「前進した距離は6.5キロ、90平方キロメートルの領土を奪還した」

マリャル国防次官は12日、東部ドネツク州と南部ザポリージャ州で新たに3つの集落を取り戻し、合わせて7つの集落を奪還したと発表しています。

ゼレンスキー大統領は。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「厳しい戦いだが、我々は前進している。これは極めて重要だ」

悪天候の中でも「兵士の力が成果をもたらしている」と強調しました。

ただ、発生から1週間が経ったダム決壊に伴う洪水の被害は広がっていて、ウクライナ内相などによりますと、ヘルソン州やミコライウ州でこれまで12人が死亡、41人が行方不明のままです。

こうしたなか、ロシア内部では気になる動きが。ショイグ国防相が「志願兵部隊」に対し、今月いっぱいまでに契約を結ぶよう命令。ショイグ氏と対立する民間会社「ワグネル」は“志願兵部隊”と呼ばれていたため、ロシア独立系メディアはショイグ氏が「ワグネル」掌握を試みたのではないかと分析しています。

しかし、「ワグネル」創設者のプリゴジン氏はショイグ氏とは「いかなる契約もしない」と反発しているということで、足並みの乱れは依然続いています。