富山市の小中学校再編問題です。市が再編の対象となる地域ごとに実施している住民説明会、23日の夜は和合(わごう)地域でおこなわれました。保護者からは再編後の通学手段など具体的な対応を問う声が相次ぎました。


富山市和合地域の説明会には、保護者や地元住民およそ120人が出席しました。



和合地域では、それぞれの学年で1つしかクラスが無い四方(よかた)、八幡(はちまん)、草島(くさじま)、倉垣(くらがき)小学校を和合(わごう)中学校に併設した1つの小学校に統合する案が示されています。



富山市側は再編の背景に加速する少子化があることを踏まえたうえで、小学校を中学校に併設することによる教育上のメリットなどに触れ、再編の必要性を説明しました。

一方、保護者は再編後の通学手段と通学路について市に具体的な案を求めました。



保護者の男性:
「再編については良いかなと思っていますが、再編にあたって(通学距離)2~3キロということでスクールバスという話もありますけど、バスが使えない子どもたちとか、歩いて通う場合の通学路の整備、側溝に落ちたら危ないという話もあるし、その辺のリスクはどの程度考えている」



市の担当者:
「再編案に対してどこからどこまでをスクールバスにするとか、そういった具体的な検討は基本的にはまだ行ってございません。再編の場所がどこになるのかというところが決まった後に、そういった議題のものを検討していくのがこれまでの過去の例でもそういった形をとっています」

保護者の女性:
「去年、子どもを産んで今年度1歳になる子どもがいるんですけど、このままいったら合併した小学校に通うのかなと思いますけど、合併の案ができてからスクールバスについてどういう運用するかを検討するとおっしゃっていましたが、それでは、賛成も反対もしにくいなと。もうちょっとスクールバスについて、ほかの校区に行かせるのに親が不安を持っているのをもう少し考えてもらって具体的な案を出していただきたい」



また、四方小学校のPTA会長は、およそ80世帯の保護者に実施した再編に関するアンケート結果を報告しました。

四方小学校PTA会長:
「富山市の和合中学併設案に(賛成は)ゼロパーセント。“通学への配慮等で条件付きで賛成”というものについては約7割の賛成意見がありました。なので、みんなが合併に反対しているわけではなく、通学等の条件が整えば約7割の方が賛成という意見が出ております。またぜひ参考にしていただきたい」



さらに保護者からは再編後を見据えた問題提起も…

保護者の男性:
「じゃあ、学校が終わってから学童保育に通わせている親御さんたちも多いと思いますが、統合再編すると和合中学校の近くにある学童だけでは、たぶんまかないきれなくなると思っています。先ほど言われましたスクールバスでそれぞれのところの学童に送迎するみたいな案もあったりするのかなと思います」




別の保護者:
「やはり少子化で子どもがどんどん少なくなるのは事実ですので、合理的なところではあるのかなと再編は。ただ、それに問題とかも色々あると思うので、それは地域と解決しながら決めていくのがいいかなと」




別の保護者:
何か反対とかそういう問題ではなくて、子どもたちにとって何がいい環境になるのかっていうお話を聞けるのかなというところで出席した。子どもたちは素直に自分の意見を持っていると思うので、一度耳を傾けてもらえる場があればより良い方向につながりやすいのかなと思いました」




<ひとこと>
取材した記者によりますと、再編については少子化の流れで、いたしかたないというスタンスの保護者もいます。一方で、あまりにも再編ありきで、子どもたちが安心して学校に通えるための具体策が市側の説明ではあまりみえてこない印象です。富山市には、再編を取り巻く問題について真摯に向かい合い、具体策を早急に提示したうえで、丁寧に説明していく必要があるのではないでしょうか。