同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するとして、3組の同性カップルが国を訴えた裁判。福岡地裁は、「違憲状態」とする判断を示しました。

この裁判は、福岡市や熊本市に住む男性カップル2組と女性カップル1組が、民法や戸籍法の規定で同性婚が認められないのは憲法に違反するとして、国に損害賠償を求めたものです。

きょうの判決で福岡地裁は、「同性カップルに婚姻制度による利益を一切認めず、家族になる手段を与えていない民法などの規定は、個人の尊厳に立脚すべきものとする憲法24条2項に違反する状態にある」との判断を示しました。

その一方で、民法などの規定が「法の下の平等」や「婚姻の自由」を認めた憲法に違反するとの訴えは退け、損害賠償の請求は棄却しています。

原告 まさひろさん
「『違憲』と言い切ってほしかったというところはあるが、一歩前進していると感じて、今は安心しています。一刻も早い検討・議論を国会の場で進めていただきたいと強く思います」

全国5つの地裁で争われた「同性婚訴訟」はきょうで1審の判断が出そろい、「違憲」が2件、「違憲状態」が2件、「合憲」が1件となっています。