薄着になる季節に増える「盗撮」や「痴漢」
女性を狙った卑劣な犯罪を取り締まるため、駅の構内や列車の中で目を光らせる『鉄道警察隊』に密着しました。
JR新潟駅の構内。
午後4時前になると高校生の下校も始まり、ホームが混み始めてきました。
そんな中で、リュックを背負いそれとなくあたりを見渡す白シャツの男性の姿…。
一見すると若い会社員のようですが、実は新潟県警 鉄道警察隊の私服警察官です。
卑劣な痴漢や盗撮などの犯人を捕まえるため、私服で周囲に溶け込み目を光らせています。列車内では出入り口の辺りに立ち、車内での不審人物をチェック…。
【私服警察官】
「高校生を追っていたりする人だとか…。待っている時には、ある程度目線とかを確認しています」
JR新潟駅の構内に拠点を構え、鉄道施設での乗客の安全と安心を確保するために日夜を問わず総勢22人で活動する『鉄道警察隊』。
すりや置引などの犯罪の予防や摘発、パトロールやラッシュ時の警戒・警備などが主な仕事で、制服を着た隊員と私服で活動する隊員とに分かれています。
そしてこれからの時期、薄着の人が増える中で鉄道警察隊が特に警戒しているのが「痴漢や盗撮の被害」です。
【高校生】
「スカート短くしていると、たまに視線を感じる」
「エスカレーターとかエレベーターは横向いて立っています。撮られないように」
「学校でスカートの足を撮られたことがありました」
新潟県警によりますと2022年1年間で、新潟県内では痴漢で26件、盗撮で185件が摘発されており、その被害の多い場所の一つが、駅構内や列車内。
通勤通学の時間帯に多く発生するそうで、“薄着となる夏場”に特に増えます。
駅の中でも特に盗撮被害の多い場所が、エスカレーターや階段など。
女性の背後に立って、スマートフォンのカメラでスカートの中を盗撮する手口が多いということですが、新潟県警の鉄道警察隊でも、2021年にJR新潟駅の周辺で実際にこの手口で犯行に及んでいた40代の会社員の男を現行犯逮捕しています。
【私服警察官】
「犯行をやろうとしている状況があったので、しばらく注視していた」
「他の隊員から、エスカレーターに行ったという情報があって見てたら、エスカレーターを上がっている最中に盗撮してて…」
逮捕された会社員の男は、過去にも盗撮で捕まったことがあったということで、鉄道警察隊がマークしていました。
性犯罪の類型の中でも『盗撮や痴漢は再犯率が高い』のが特徴で、法務省の調べによりますと、最も高い痴漢の再犯率は44.7%、次いで盗撮の再犯率が36.4%となっています。
【私服警察官】
「盗撮とか痴漢やる人ってやっぱり動きが一般の方と違うので、目線だとか歩くスピードだとかその辺を気をつけてながら見ていますね」
警察は、エスカレーターや階段で被害に遭わないために女性側も対策できることがあると話します。
【私服警察官】
「エスカレーターだとか階段のところはちょっと後ろを気にして頂くとか、周りの状況が見えるような、そういう利用をするとかですね」
警察官の存在を示すことで痴漢などの犯罪を抑止しているのが鉄道警察隊の制服隊員です。制服隊員の大竹裕子巡査部長です。
【鉄道警察隊 第二機動小隊 大竹裕子巡査部長】
「いろんな人が来る施設ですので、道に迷って困っている人がいないかなとか、不審な動きをしている人がいないかなとか、そういうことをいろいろ気にかけて警戒しています」
駅構内のパトロールや警戒・警備のほか、通行人への道案内も仕事の一つです。
大竹さんは、同じ女性が被害に遭うことが多い盗撮や痴漢を防ぎたいという思いが人一倍強くあります。
【鉄道警察隊 大竹裕子巡査部長】
「痴漢や盗撮は被害にあう相手のことを考えないすごく身勝手な行為だと思いますので、本当に絶対に許してはいけない行為だと思います」
盗撮や痴漢は、被害者が被害に気付かなかったり、被害に遭っても通報をためらったりするケースがあり摘発につながるのは氷山の一角だと言います。
【鉄道警察隊 大竹裕子巡査部長】
「盗撮って、なかなか今、自分が被害を受けたってはっきり分からないことも多いのかなと思うんです。『もしかしたら触られたかもしれない』、『撮られたかもしれない』という段階でもいいので、『間違ってたらどうしよう』と不安に思わずに警察に相談に来て頂けたら」
卑劣な犯罪から女性を守ろうと、きょうも鉄道警察隊は目を光らせています。














