破壊されたウクライナ南部のダムについてです。ロシア・ウクライナ双方が相手側の攻撃だと非難するなか、国連の安全保障理事会では緊急会合が開かれました。

冠水した道路、人々がボートなどで避難しています。ウクライナ南部ヘルソン州にある発電所のダムが破壊され、洪水が発生していて、州知事はウクライナ側が支配する地域の住宅1300以上が水没したと指摘。

ロシアメディアによりますと、親ロシア派の当局者は7日、少なくとも7人が行方不明だとしたほか、州に非常事態が導入されました。

ダム破壊を受け、緊急会見を行った国連のグテーレス事務総長は…

国連 グテーレス事務総長
「民間人や市民にとって重要なインフラを狙った攻撃はやめなければならない」

そして…

記者
「ダム決壊について双方を非難し合うなかでの緊急の安保理会合。欧米を中心に、そもそもの原因はロシアによる軍事侵攻にあるというメッセージを改めて打ち出していきます」

ここでも、ウクライナとロシア双方が相手側の責任だと主張しました。

ウクライナ キスリツァ国連大使
「外部から砲撃などで爆破することは物理的に不可能です。ロシアの占領者によって爆発物が仕掛けられ、爆破されたのです」
ロシア ネベンジャ国連大使
「ウクライナが重要インフラ施設に対して行った意図的な破壊行為は極めて危険で、戦争犯罪やテロ行為に分類される可能性があります」

日本や欧米諸国をはじめ、大多数の国はロシアによる関与には言及していませんが、「軍事侵攻がなければ、このような悲劇は起こらなかった」として、改めてロシア軍の即時撤退を求めました。