3つの原則を守る「健康マージャン」。認知症予防や人との交流になると、愛好家が増加しています。
1つの卓に男女4人。
笑顔で牌を打ち合っている場所。マージャン荘ではありません。

甲府市国母のNPO法人 健康麻将kaiやまなしの教室です。

こちらで行われているのは、飲まない、吸わない、賭けないをモットーとした健康マージャン。
この3大原則のもと、クリーンな環境でゲームを行います。

このNPOは2018年に発足、当初の活動は月に1回、7、8人の参加でしたが、今では週に4日教室を開き、60歳以上を中心に100人以上が参加する活発な交流コミュニティになりました。

81歳の参加者:
1人住まいなので、人に会える場所で楽しいから来ている

参加者:
まだ半年だが、やっているうちに色々覚えたり、みなさんに声をかけていただいたりするので楽しい2時間を過ごしている
さらに、マージャンが好きな若者も参加しています。

参加者:
ホームページを見て来た。いつもやらない年代の人とできるので楽しい

こちらではルールを教えあいながらゲームを進める場面もあり、室内は和やかな空間に包まれています。
NPO法人の代表 長澤貴仁さんは、核家族化が進み人との関わりが希薄になっていることの解消に、健康マージャンが役立つと考え、その普及活動を行なっています。

NPO法人 健康麻将kaiやまなし 長澤貴仁代表理事:
健康マージャンは、世代を超えて一堂に集まって同じ卓でできる数少ないゲームのひとつだと思う。
健康マージャンは全国的な広がりをみせ、今では全国大会があります。
また、60歳以上の健康と福祉の祭典=ねんりんピックの正式競技になっています。
公衆衛生の専門家は、認知症予防の効果が普及の背景にあるとみています。

東京都健康長寿医療センター研究所 村山洋史さん:
マージャンは考えながらやるので、脳に刺激がすごくある。認知機能低下や認知症の予防というところにはすごく意味がある。
みんなでやるゲームで人の交流が生まれ、人間関係ができる健康マージャンにはコミュニケーションを深める効果もあります。
この日の教室に高校生の女子生徒の姿がありました。
鶴田夏姫さんは中学生の頃不登校でした。

鶴田夏姫さん (16):
人と関わることが苦手なので、(中学校に)行けなくなってしまった。
鶴田さんはインターネットでマージャンに触れてルールを覚え、健康マージャンの取り組みを知り、教室に参加すると自分の心に変化が。


鶴田夏姫さん (16):
人見知りなので緊張したがやっているうちに慣れて、いっぱいコミュニケーションがとれていいと思う。好きなもので話ができるのですごく気が合うし、いっぱいお話できる。
高齢者の憩いの場や世代を超えた交流の空間、そして体と心の健康につながる健康マージャンは、多くの人の活力の源となっているのです。

NPO法人 健康麻将kaiやまなし 長澤貴仁代表理事:
健康マージャンというのを通じて世の中の人が明るくなったり、何かに気づけたり、社会課題の解決に寄与できたらすごくいいと思う。皆さんが良くなる手助けができれば本当にうれしい。