シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説した中国の李尚福国防相は、アメリカ側が対話を呼びかけたことを念頭に「アメリカが誠意を示し、言動に一貫性を持たせるべき」と強調しました。現地から中継です。

台湾問題などで対立する米中の関係改善が焦点となるなか、アメリカとの直接会談を拒否した中国の李国防相は、けさの演説で次のような懸念を示しました。

李尚福国防相
「中国とアメリカの問題は、両国だけでなく世界に影響を及ぼす」

李氏は、アメリカのオースティン国防長官が対話を呼びかけたことを念頭に、「アメリカが誠意を示し、言動に一貫性を持たせ、中国側と同じ方向に進むよう実践的に行動する必要がある」と強調しました。

そのうえで、「二国間関係を発展させることを妨げないし、共通の利益に基づく協力を深めることも妨げない」と対話再開への意欲も示しています。

また、会場のホテルでは、さきほど日本とウクライナの防衛相会談が行われ、浜田防衛大臣はロシアによる侵攻について「きょうのウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べたのに対し、レズニコフ国防相は北朝鮮による弾道ミサイル発射を念頭に「我々は同じような状況にある」と応じました。