総理秘書官を辞職することになった岸田総理の長男・翔太郎氏。一転、更迭となった背景は…

立憲民主党 田島麻衣子 参院議員
「ご長男の岸田翔太郎氏を交代させるということですが、これは更迭であると理解してよろしいですか」
岸田総理
「更迭かどうかというご質問ですが、別に言葉の遊びをするつもりはありません。けじめをつけるために交代させる、このように申し上げております」

きょうの国会でも取り上げられた岸田総理の長男・翔太郎総理秘書官の問題。去年暮れに総理公邸で忘年会を開き、組閣の時の記念撮影を真似たような写真などが「週刊文春」に掲載されると批判が相次ぎ、岸田総理はきのう、秘書官を交代させると表明していました。

辞職に伴い、退職金やボーナスについては…

岸田総理
「退職金、あるいはいわゆるボーナス等については、辞退あるいは返納する旨、本人の意思を確認している」

そもそも、翔太郎氏をめぐっては、政務の総理秘書官に就任した去年の時点で「身内びいきだ」との批判がありました。しかし、岸田総理は…

岸田総理(参院本会議 去年10月)
「政権発足から1年という節目をとらえ、適材適所の観点から総合的に判断したものであります」

今年1月には岸田総理の外遊先で公用車を使って観光し、土産物を購入していたことも指摘されました。それでも岸田総理は、翔太郎氏を続投させ、今回も当初は更迭すると明言していませんでした。

しかし、一転、更迭に踏み切ったのはなぜだったのでしょうか。

自民党幹部
「『支持率に影響した』と考えているんでしょう。党内からも色んな声があったみたいよ」

G7サミットによる追い風を翔太郎氏の問題が打ち消す形となっていたのです。

街の人
「何をしてはダメなのかを分かっていない人間が、総理秘書官をやっているなんて、とんでもないことだと僕は思いました」
「簡単に秘書官の立場になれちゃったことが一番の原因だと思っていて、親からのプッシュがあって苦労していないから、たぶん自分でそういう区別がついていない」

総理周辺によりますと、総理は週末、ひとりで考えて結論を下したといいます。ただ、与党内からは「判断が遅い」との声が相次ぎます。さらに…

立憲民主党 安住淳 国対委員長
「政治はもとより国民の意識や声に敏感でなきゃいけないと。やっぱり鈍感になってるから、ご長男の更迭は遅れたんではないかと」

野党側は批判を強める一方、今回の更迭によって“岸田総理が解散総選挙に向けた環境作りを行っている”などと警戒する声も出ています。