北朝鮮による拉致被害者を救出するための国民大集会が東京で開かれ、横田めぐみさんの母・早紀江さんらが出席し早期の日朝首脳会談の実現を訴えました。
27日に東京で開かれた国民大集会。拉致被害者 横田めぐみさんの母・早紀江さん(87)は、今年3月に体調を崩している中での出席です。

【横田早紀江さん(87)】
「金正恩という方との対面、目を見て話して、この間広島でなさったように、あのような形で何らかの形で一対一の話し合いができればいいなと。その日が早くどうしたら来るんだろうと、いつも願っている」
拉致被害者の家族会は今年2月、新たな運動方針として親世代の家族が存命のうちに拉致被害者の一括帰国が実現するなら、国が北朝鮮への人道支援を行うことに反対しないとしています。

家族会の代表でめぐみさんの弟・拓也さんも「親の世代の高齢化は厳しい現実で、残された時間はない」と早期の日朝首脳会談の実現を訴えました。
出席した岸田総理は…

【岸田総理】
「私自身、我が国自身が主体的に動き、トップ同士の関係を構築することが極めて重要なことだと考えている。首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルな協議を行っていきたい」
この発言について岸田総理は、29日に官邸で「今の段階で詳細は控える」と述べ、「従来から直接向き合う覚悟で、この問題に臨むということを申し上げてきた。それを具体的に進めていきたい」と強調。

一方、北朝鮮の国営・朝鮮中央通信は「日本が新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら両国が会えない理由はない」とする外務次官の談話を伝えています。ただ、日本人拉致問題は「解決した」というこれまでの主張を繰り返しました。
北朝鮮が公式に日朝協議に前向きの姿勢を見せたのは2016年以来とみられますが、“人工衛星”打ち上げの事前通告も行っていて、日本と米韓との連携を揺さぶる狙いもあるとみられています。