習近平国家主席が旗振り役 計画から15年の悲願

航続距離は最大5555キロで、中国全土をカバーすることができます。

中国メディアによりますと、材料を工夫して重量を抑え、燃費を向上させたということです。

年内にはさらに4機が納入される予定で、上海や北京、成都、深圳など国内の主要路線に投入される見通しです。

習近平国家主席(2014年)
「我が国は最大の飛行機マーケットだ。われわれは資金を大量に投入して、自分の飛行機を開発する自主的な能力を備えなくてはならない」

習近平国家主席自ら旗振り役となって、計画から15年以上の歳月をかけて完成した中国初の国産中型旅客機。その狙いについてこんな見方が…

新華社通信
「A(エアバス)、B(ボーイング)と並ぶ、C(COMAC)を作り、将来の民間航空を3つの柱で支える状況にする」

現在、世界の中型機と大型機の市場は、アメリカのボーイング社とヨーロッパのエアバス社がほぼ独占していますが、これに参入、その一角を占めようというのです。

一方で、日本では2月、三菱重工業が小型ジェット旅客機事業からの撤退を発表したばかり。

日中で明暗が分かれた形になりました。

東京大学 鈴木真二 名誉教授(航空工学)
「中国の場合は完全に国家プロジェクトとして進められている。旅客機全体をつくるという技術に関しては、中国が非常に日本より先に行ってしまった」

「航空強国」を掲げ、技術開発を進める中国。航空市場でも存在感を示し始めています。