国が2013年から段階的に生活保護費を引き下げたのは違法だとして、生活保護の受給者が引き下げの取り消しを求めた裁判で、千葉地裁は「引き下げは違法」との判断を示しました。
この裁判は、2013年から3年にわたって生活保護費の基準を段階的に引き下げたのは違法だとして、千葉県内の受給者12人が千葉市など対し引き下げの取り消しを求めたものです。
きょうの判決で、千葉地裁は国が引き下げの基準とした物価の下落率について、「統計など客観的な数値との合理的関連性がなく、専門的知見との整合性もない」と指摘しました。その上で、基準を引き下げた厚生労働大臣の判断は「裁量権の範囲の逸脱または濫用があり、違法だ」として、引き下げを取り消しました。
同様の訴訟は、全国各地であわせて29件起こされていて、引き下げの取り消しを命じた判決は10例目です。
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