本格的な梅雨シーズンを前に、気象庁は災害を起こすような大雨をもたらす「線状降水帯」の発生を伝える情報を5月25日から、最大で30分前倒しで発表します。この30分の間に私たちができることとは。
<滝澤悠希キャスター>
「体を強く打ち付ける大雨となっていて車もしぶきをあげながら走行しています」
2022年9月、静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号の際にも発表された線状降水帯発生情報。線状降水帯とは、発達した雨雲が次々と発生し直線状に並ぶ現象です。帯状に続くため、ほぼ同じ場所に、長い時間、大雨を降らせます。
避難行動に生かしたいこの情報。気象庁は2021年から運用していますが、2023年5月25日から最大で30分前倒しで発表します。
<静岡地方気象台 鶴橋茂大 気象情報官>
「すでに大雨になっているときに発表されるものなので、避難行動に結び付けていただく面ではより早く知っていただくことは大事」
2022年9月の台風15号では、床上浸水など甚大な被害が出ました。雨雲は静岡県内を覆うように発生し続けました。このときは、夜と早朝の2度、線状降水帯発生情報が出ています。
<静岡地方気象台 鶴橋茂大 気象情報官>
「たかが30分と思うかもしれませんけど、30分あればできることがいっぱいあると思います」
素早く情報が発信される一方で、受け取り方には注意が必要です。
<静岡市危機管理総室 杉村晃一さん>
「警戒レベル4に相当する情報が出た後で線状降水帯が発表されるので、本来そのタイミングで市としても避難情報発表しているはず」
線状降水帯発生情報が発表されるときには、すでに自治体から避難指示が出ているような危険な状況。そこから避難所に向かうことでむしろ、被害に遭ってしまうおそれもあります。しかし、危機管理の担当者は30分の余裕を生かせば、浸水などを避けるための垂直避難や崖の近くであれば離れた部屋に移動するなどの対策も取れると話します。ほかにも。
<静岡市危機管理総室 杉村晃一さん>
「生命身体の次は財産を守る。時間に余裕があれば事前に移動できる財産、例えば車とか浸水しやすい場所にあればちょっと移動しておくとかそういったこともできるかなと思います」
前倒しで発表される線状降水帯発生情報。まもなく到来する梅雨シーズンに生かしたい情報です。
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