熊本県の小学生が、地元の特産「サラダ玉ねぎ」の生産から販売までを手掛けるビジネスにチャレンジしました。
簡単ではない農業の世界。利益は出たのでしょうか?

熊本県の南側に位置する津奈木町です。
収穫された5トンを超える特産のサラダ玉ねぎ。育てたのは地元の小学生です。
このサラダ玉ねぎをネット販売しようというのですが、農業のプロは・・・
JAあしきた担当者「大きくなると重たい力仕事にもなってくるので、子どもたちにはすごく大変なこともあると思う」

小学生は、自分たちが育てたサラダ玉ねぎで利益を出すことができたのでしょうか?
植え付け作業を始めたのは去年12月でした。
「白いところまで全部入れます。そして押さえる。ギュッ。」
「ギュッ。できた!」

児童が着ているお揃いの作業服は「つなぎのツナギ」この農作業の心得が書かれています。
「つ・疲れるまで頑張る」
「な・仲良く協力して作業する」
「ぎ・全国の人にギフトを届ける」

津奈木小学校では農業について学ぶため地域の耕作放棄地を活用し毎年、サラダ玉ねぎを栽培しています。
収穫した玉ねぎはこれまで、学校給食で使ってもらうため東北被災地の学校に送り続けていましたが…
JAあしきた青壮年部 津奈木支部 林辰徳 部長「送っていたところはコロナで学校閉鎖になって給食がストップしてしまったので、送り先がなくなってしまった」

新型コロナウイルスの影響で行き場を失った約1トンのサラダ玉ねぎ。無駄にしたくないと津奈木町がネット販売したところ、なんと完売したのです。
JAあしきた 林 部長「そこまで反響がいいとは思わなかったので、次の年は子どもたちを絡めてネット販売をやってみようかと。」

こうして始まったサラ玉を販売するビジネスは今シーズンで2回目。
サラダ玉ねぎが順調に育ってきた今年3月。この日は東京からマーケティングの専門家を招きました。
授業の最大の目的は商品の魅力が伝わるホームページを作ることです。

食文化 マーケティング本部 井上真一 本部長「どういうところに魅力を感じて
それを買うのかなというところを考えていく。この『要素分解』という方法を使ってこれからやってもらう」
講師の井上さんは子どもたちにサラダ玉ねぎの価値を新たに見出すことの重要性を伝えました。
井上 本部長「(小学生が)作ったものを最後売るところまでやってお金を得るというのは、たぶん日本でここ(津奈木小)だけだと思う」