牧野富太郎博士の青年時代を知ることができる企画展が高知市で開かれています。牧野博士が自由民権運動に取り組んでいた事実を知ることができます。
高知市の自由民権記念館で開かれている企画展「牧野富太郎と土佐の自由民権」。明治時代初期の土佐では自由民権運動が盛んに行われていて、博士の出身地・佐川町は、学問に熱心な土地柄だったこともあり、民権運動にのめりこんでいったといわれています。牧野博士が直接的に自由民権運動に関わっていた証拠は残っていませんが、自身が書いたこちらの随筆書「思い出すままに」には、自由党員のひとりで、政治に関する書物を読んだと記されています。

また、こちらの植物標本を作るために使っていた新聞紙には、高知出身で自由民権の思想家、植木枝盛が襲われた事実が記されています。当時の新聞は空襲で焼けるなどして、ほとんど残っていない中、高知の近代史を知る貴重な史料となっています。

(高知市学芸員 汲田美砂さん)
「この企画展を通して、高知で自由民権運動がこんなに盛んだったんだと、そういった中で新しい人材が輩出されたんだと感じてもらえたら幸い」
この企画展は二部制で、9月に新たな資料が公開されることになっています。