きょう正午過ぎに飛び込んできた大きなニュース。ウクライナのゼレンスキー大統領が広島を訪れ、G7サミットに対面で参加するというのです。
日米の政府関係者がJNNの取材に明らかにしたもので、あす日本に到着し、明後日、首脳会談に出席するということです。
当初、ゼレンスキー大統領は、きょうの会合にオンラインで参加する見通しでしたが、急転直下、昨日の夜…
岸田総理
「ウクライナ側の事情によって、これを21日午前にオンラインで参加する形に変更する」
さらに、対面での参加を模索した結果、きょうになって調整がついたということです。
日米両政府はゼレンスキー大統領の訪日を公式には明らかにしていませんが、ブルームバーグ通信はサウジアラビアで19日に開かれる会議に出席した後、アメリカ軍機で日本に向かうとみられると報じています。
去年2月にロシアによる侵攻が始まって以来、ゼレンスキー大統領が日本を含め、アジアを訪問するのは初めてのこと。各国首脳に直接、支援を訴えることになります。
記者
「バイデン大統領が今、平和公園の中へと入っていきます。アメリカの現職大統領としては2人目の平和公園訪問です」
G7広島サミットがきょう開幕。岸田総理に迎えられる中、各国首脳がまず、訪れたのは平和公園にある原爆資料館でした。
1945年8月6日、世界で初めて原爆が投下された広島。
岸田総理は広島が原爆による壊滅的な被害から復興を遂げた平和を希求する街だと訴え、「G7として核兵器のない世界への決意を改めて確認する」と決意を語ってきました。
原爆資料館には、被爆の惨状を示す資料や被爆者の遺品や写真など、およそ500点が展示されています。
2歳で被爆し、10年後、白血病で亡くなった佐々木禎子さんが、回復を願い折り続けた鶴の物語も各国首脳らに伝えられたということです。
核保有国のアメリカ、イギリス、フランスを含むG7首脳が揃って訪れるのは初めてで、被爆者である小倉桂子さんとも対話し、その声にも耳を傾けました。
資料館の館長は…
原爆資料館 滝川卓男 館長
「約40分程度、資料館の視察をしていただきましたので、被爆の実相に触れていただいたと思っております」
首脳たちはその後、平和公園で「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」との言葉が刻まれた原爆慰霊碑に献花。平和への願いを込めて被爆桜の植樹を行いました。
政府は今回の訪問の意義をこう強調しています。
日本政府の発表
「ウクライナ侵攻を続けるロシアによる『核の威嚇』は、受け入れられないという立場をあらためて表明することが出来た」
そして、午後からは本格的な討議が始まりました。
岸田総理
「基本的な価値を共有するG7は国際社会の重要な課題に効果的に対応し、世界をリードしていかなければなりません」
ウクライナ情勢をめぐっては明後日、ゼレンスキー大統領が参加して会談するのを前に、各国首脳は「ロシアへの制裁」や「ウクライナ支援」などについて協議し、首脳声明では「ロシアの軍事機構を支えるG7の技術・産業設備及びサービスを枯渇させる」などと制裁強化を表明しました。
長引くロシアによるウクライナ侵攻。そして「核兵器のない世界」へ…。
世界が直面する課題にG7が結束して対応していけるのか、議長を務める岸田総理のリーダーシップが問われています。
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