ちばなクリニック 山口怜医師
「入院が必要なくらい心臓が悪いんですよ、肺にも水が溜まっていて、ちょっと動くと息がきれてしまう」

実は男性は重度の心不全を患っていて、体の各所に影響が表れるなどすぐに入院が必要な危ない状態にあったのです。命の危険もありうるとして医師はこれまでに何度も入院を打診するも話は進展せず頭を悩ませていたといいます。

ちばなクリニック 山口医師
「実は生活がよく見えなくて、おひとりなんですか?」


患者の高齢化が進む中で、医師と患者のコミュニケーションが困難となるケースは増加していて、家族と情報の共有ができないことで適切な対応が遅れ、病状の悪化にも繋がっているといいます。

ちばなクリニック・山口医師
「(介護保険だけでは)抜けちゃうもの、家族との連絡やうちのソーシャルワーカーもやってくれるけど、こういう状況で家族背景があって、送迎やできないところ(を補助して)付き添 いをしてくれるのは凄く必要」

急きょ連絡を受け病院に到着した親族は、叔父の状態の悪さを知り驚きと焦りが隠せない様子でした。病院側だけでなく、家族もまた正確な情報を知らなかった現状。依頼者は介護の難しさを痛感するとともに付き添いサービスの必要性を痛感していました。


付添いを依頼した男性
「そのままだと様子を見ることになったかもしれないし、手遅れになったかもしれない。こういうサービスがあってよかったなと強く思う」

高齢者と家族と医療を結ぶこの付添いサービスによって、互いに抜け落ちていた情報を補完することができ、高齢男性の入院へと繋げることができました。このように高齢化が進む中、求められるサービスも更に多様化するといいます。

ハレルヤ 大城五月代表
「介護保険のサービスだけではなかなか難しいと思っている、今ある社会資源や地域、家族、専門職が手を取り合って支えていくかと同時にないものは民間がサービスを作ることが必要と思う」

介護保険サービスだけではまかなえなくなる高齢者介護。新しい介護の形とそれを利用できる仕組みが求められています。




【記者MEMO】
これまでは家族で介護を担うべきだという、家族による介護がある種の常識とされていました。しかし女性の社会進出などが一般的になり、介護に時間を費やすことが難しい状況も生まれています。介護は育児と異なり、いつ始まり、終わるのか分からないもので、その負担も少なくありません、多種多様な介護サービスを利用しながら、社会全体で介護を担う環境の整備が求められています。