日本で初めて、2つの都市での共同開催となった「G7富山・金沢教育大臣会合」。ウクライナ侵攻による国際交流の停滞、チャットGPTなど生成AIを含むデジタル技術が与える影響など、アフターコロナの時代に共通で抱える教育システムの課題について話し合われました。
「大臣らはブースでAIを使った翻訳機能を体験しています。AIが話し手の文脈や意図を補完し精度を高めています」(記者)
会場ではAIによる同時通訳技術もPR、会議の休憩中に各国の代表も体験します。
会合では具体的な討議を踏まえたうえで「富山・金沢宣言」を採択。少人数学級の推進のほか、G7各国間の生徒・学生の交流をコロナ禍前の水準以上に拡大させることなどが宣言に盛り込まれました。
永岡桂子 文科大臣
「G7と国際機関が一緒になり世界中の子どもたちを支え育てることができるように引き続き密接に連携していく」
ジュゼッペ・ヴァルディターラ教育・功績大臣(イタリア)
「学校組織でAIが使われていくわけだが、あくまで人間である教師がきちんとリードしていく必要がある」
注目集まる“生成AI”にも言及
今回採択された富山・金沢宣言の内容ですが、まずはチャットGPTなどの「生成AI」です。
チャットGPTは質問に自然な形で返してくれる対話型の人工知能ですが、使い方によっては間違った情報を出すこともあると指摘されています。共同宣言では、こうした“教育のデジタル化”について、その課題を継続的に把握しリスクを軽減していくという方向性が示されました。
また会合の合間の昼食会では、各国同じ悩みを抱えていたことがわかったそうです。それは「教員不足」。共同宣言では教師が事務的な作業に追われるのではなく、子どもたちと接する本来の仕事に専念するため、業務の適正化などを含め働きやすい環境を整備していくとしています。
共同宣言で教育のもつ価値を改めて共有した大臣たちは、次回イタリアでの再会を誓い帰国の途につきました。














