ロシアのプーチン大統領は、ヨーロッパでの通常兵器の上限を定めた軍縮の枠組み、欧州通常戦力条約を破棄する法案を下院に提出しました。

ロシアメディアによりますと、プーチン大統領は10日、欧州通常戦力条約を破棄する法案を下院に提出し、審議の政府側代表にリャプコフ外務次官を任命しました。

今後、上下両院で審議が行われますが、可決する可能性が高いとみられています。

欧州通常戦力条約は戦車など通常兵器の数の上限を定めたもので、1990年にアメリカが主導するNATO=北大西洋条約機構と旧ソ連などのワルシャワ条約機構、双方の加盟国の間で調印されました。

ロシアはすでに2007年に条約の履行を停止し、その後アメリカも履行を停止していて、実際の影響は限られたものになるとみられます。

ロシアは今年2月にアメリカとの核軍縮の枠組み新STARTの履行を停止するなど、ウクライナ侵攻による欧米との対立が深まる中、強硬姿勢を強めています。