ASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議が10日開幕し、議長国のインドネシアは、「対立が激化し、国際情勢は予測不可能だ」との危機感を示し、加盟国間の結束を呼びかけました。

インドネシアで始まったASEAN首脳会議には、ミャンマーを除く9か国が出席し、正式加盟を目指す東ティモールもオブザーバーとして初めて出席しました。

会議の冒頭、インドネシアのジョコ大統領は、米中の覇権争いなどを念頭に「対立がより激化し、国際情勢は予測不可能だ」との危機感を示した上で、「ASEANが平和と成長の原動力になれるか問われている」として結束を呼びかけました。

2日間の首脳会議では、クーデターで軍が実権を握ったミャンマー情勢や、中国が軍事拠点化を進める南シナ海の問題などについて協議が行われる見通しです。

ミャンマーをめぐっては各国の首脳らが「暴力を深く懸念する」との声明を発表。7日にミャンマーでASEAN代表団らの車列が銃撃された事件について「加害者は責任を負わなければいけない」と非難しました。

インドネシアは、暴力の即時停止などを求める5つの合意項目をミャンマー軍に履行させる意欲を示していますが、ミャンマー軍に対し融和的な立場を維持する近隣国との間で温度差もあり、打開策を見いだせるかは不透明な状況です。