モスクワ「赤の広場」で行われたロシア・プーチン大統領の演説のポイントについて解説します。

プーチン大統領は演説の中で「われわれの祖国に対し本物の戦争が開始された」と述べ、これまで「特別軍事作戦」と称していたウクライナ侵攻について「本物の戦争」という言葉を使いました。

ただ、あくまで西側諸国から仕掛けられたもので、西側は「ロシアの崩壊を求めている」と主張し、ウクライナ侵攻を祖国を守る戦いと位置づけて正当化するとともに、侵攻を継続する姿勢を示しました。

旧ソ連がナチスドイツを破り「大祖国戦争」と呼ばれる第2次世界大戦と侵攻を重ね合わせ、国民の団結を呼びかけた形です。

一方、ロシアが先週3日に発表した「プーチン氏を狙ったウクライナ側のテロ行為」とするクレムリンへのドローン攻撃については、直接の言及はありませんでした。

今回、ベラルーシやカザフスタンなど旧ソ連諸国7か国の首脳が式典に招かれました。

ロシアとしては孤立していないとアピールする狙いがあるとみられますが、カザフスタン大統領がこれまでにウクライナとの「和平を模索する時だ」と述べるなどロシアと距離を置く発言も出ていて、いわば同床異夢の側面も指摘されています。